分子栄養学的療法
〜漢方薬・サプリメント療法〜

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分子栄養学とは、簡単に言うと人間の身体はさまざまな栄養素からつくられており、その様々な栄養素が入った食べ物をバランスよく摂取することで、病気を予防したり、改善したりするという考えです。

栄養素にはタンパク質、炭水化物、脂肪、ビタミン、ミネラルといったものがあり、人が生きていく上で土台となる栄養素です。 栄養状態を保つことで、エネルギー源になり、正常な新陳代謝を体内で行うことができ、赤血球や免疫細胞や、筋肉を増やし、傷になった組織細胞を修復できます。

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伝統のある漢方薬や、機能性成分を持った食品材料、民間薬なども、その栄養成分も含み、かつ様々な生体に活性を与え、新陳代謝機能を向上させる有用成分が含まれています。
そのため単に、分子栄養学的に栄養状態を良くするだけでなく、漢方薬等やその有用成分が生体の自己治癒力を高め、治ろうとする回路が働くお手伝いをすると考えています。
代表的な例は、食用キノコに含まれる多糖体が免疫機能を高めたり、薬用人参に含まれるサポニンが身体を温める作用があり、血行を促進しホルモン活性を高めたりします。 また、がん患者さんの体力補給に使われる、十全大補湯や補中益気湯などの漢方薬は様々な薬理作用を持つ生薬の組合せとなっており、その組合せ方で様々な力を発揮するのです。 

また漢方の面白いところは、気・血・水(津液)の考え方があるところです。気・血・水は人体の生命活動を維持するための重要な要素です。 「病は気から」といわれます。 病気から抜け出す気力を出すためにも、栄養バランスを整える必要もありますが、生物を食物とする事により、生命エネルギーである「精気」を頂くことも重要だと思われます。



気が滞れば血と水も滞ります。気が不足すれば血と水も不足し、運行がうまくいいかなくなります。 このように気・血・水はお互いにバランスをとっているのです。

気・血・水の量が十分にあり、運行がスムーズで協調していれば人体は健康でありますが、どこかに問題があれば様々な病気や不快な症状があらわれます。 そのため栄養学と漢方概念は密接に関係していると思います。

また、古くから「万病一元血液の汚れから生ず」という言葉があるように、冷えなどで血液やリンパ液の流れが悪くなると身体に必要な栄養素が回らないだけでなく、免疫力が下がり、老廃物が出て行きにくくなり、病気につながります。 この考えは私が行っている琉球温熱療法の基本的なコンセプトで漢方医学の考え方とも一致しており漢方薬との併用で身体のバランスをより良く整えることができます。

また患者さんの体質や年齢、体重、今までの生活習慣、気、血、水の状態、食生活、病気の進行度などにより、栄養素や漢方の量も変化してきます。ビタミンCも厚生労働省は1日100mgを推奨量にしていますが、点滴療法はがんの場合50000〜100000mgと500〜1000倍の投与量です。

患者さんの体格、症状などに合わせて投与量を変えていくことが重要なのは漢方等も変わりはありません。また免疫力を高めるサプリメントを組み合わせることもあります。そのため保険適用ではできないことが多いのです。

私は来院の患者さんには琉球温熱療法+点滴療法+患者さんの状況に応じた漢方やサプリを進めています。そうすることで治療効果が早く出て喜ばれています。

現在、がん患者さんにとっては、かなりの割合の方が医療機関に隠れてサプリメント等を服用されていると思います。 然しながら、高額な商品も多く、その商品が本当にがん患者さんに有効なのか?の判定が患者さん側にとってとても判断が難しいと思います。 私は医師としてその判断の手助けにはなれるとは考えています。 そう悩まれている、がん患者さんのご家族も含め、遠方で来院が難しい患者さんの場合はメールにて、患者さんの症状にあった漢方やサプリメントなどの相談と提案も行っています。 ぜひご気軽にお問い合わせしてみてください。